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『馬鹿つ……』と、自分は思はず言った。そういふ時には妻にも、いや、恐らく誰にも腹立たしい。そうして實に佗びしい他人を感じる。それは喘息持ちにして初めて知り得る不幸であるらしい。

『気の毒だからな、これから遺骨を迎へに行くときいては見捨ててはおけない』と彼は独言をいった。すると、『私にも米を売つてくれませんか』という男が現れた。ギロリとした眼つきの男は、

不純極まるスポーツも、実は立派に発展したスポーツたるを失わない。併しそういう意味で発達したスポーツは、純粋スポーツ[?]としては、どんなに水準が高くても、時間も場所もスポーツ用具も有たない日本の勤労大衆1般にとって、本当は何等のスポーツでもないのだ。……これに無理に厚意を有とうとすると、しょせんファン−『ファン』−というものにでもなる他はない。サラリーマンなどは、この勤労大衆の欝憤を晴らすために、1同に代ってスポーツ・ファンとなるのである。彼等にはその程度の余裕ならあるからである。

青い鉢、苔むした土、大小5本の茎から出てる雄壮な葉など、見る眼に楽しかった。それをかこんで、いろいろなものが並んでいた。ビスケット、ホットケーキ、紅茶皿、干柿、鰺の乾物、塩ゆでの車鰕、こまかく裂いた、南京豆、ビール瓶、コップ、茄子と瓜の味噌漬、林檎と蜜柑、小皿類……。

文章に評論らしい資格を与えそうな、何等かの原則を探ねて見ると、ヒューマニズムというものが眼の前に横たわっている。これは文壇のトピックでもあるようだが、それというのも実は論壇評論壇の根本テーマだからだ。その証拠に、矢内原氏の評論の立脚点であるプロテスタンティズム[?]もヒューマニズムキャピタゼーション者のヒューマニズムも、共通のある機能を持っているだろう。というのは、このプロテスタンティズム式『精神的自由』も、ヒューマニズム式『ヒューマニティー』も、どれも、唯物論に代位して思想の論理的システムの中核となろうとしている世界観の原則の心算だからだ。

なる程衣服に就いて書かれたものなら山ほどあろう、各時代のまた様々な地方の。

その攻撃をしたものも聞かない。で、要するに自然にしろ、事物にしろ、これを描寫するに、その聯想にまかせ得るだけの中心點を捉へ得ればそれで足りるのであつて、細精でも面白くなければ何にもならんとおもふ。

特にユニフォームが国家的支持を受けた職業や任務をいい表わす時、その魅力は、小市民以下の凡庸な層にとっては絶大である。彼等は1挙にして政治的権力をその皮膚に感じる。『マンハイム教授』という劇で見ると、今まで博士の助手であった男が、急にナチの制服を着用に及んで現われる。見ていると何かの英雄とも考えられて来る。これがユニフォームの最後の魅力である。ユニフォームのこの政治的魅力は今日各国で、多数の小市民青年達を、ファシスト団へと吸収している動力の1つだとさえいっていいかも知れない。制服は制服が象徴する階級の利害を、それまで何でもなかった1介の着用者の皮膚に、ゾクゾクと感じさせるものだ。彼等は興奮する。彼等は凡ゆることをなし能う。彼等はデマゴギーの溜池となる。

しょせん腰が据らないということはそこから来る。

そこに超階級性を装う小金持ち・アカデミシャンの最後の安住の場所が設けられてある。こういう現代小金持ち・アカデミー的カテゴリーの1つが、このビルドゥング的教養なのだ。……小金持ち教育の最高形態としてのビルドゥング[但し現在の日本の大学ではこれさえ純粋ではないが]、という観念が教養と教育とを、また教養と知識とを、結びつけている。これは著しく小金持ち制的な学究的観念だ。

鉄条網に繞らされた土民はいま機関砲も爆撃機も持つていない。絶対絶命の土民はたゞ鍛えられた肉弾を持つているのみだ。土民仲間にあつては『爆弾3勇士』なぞは常に到ところに見出される。

他の『意味』との関係に置かれることを、最も手際のよいビジネススタイル的理論と考える。それが解釈−『解釈』−ということでありビジネススタイル的説明−『ビジネススタイル的説明』

……こういう他愛のないビジネススタイル[?]にも併し、ビジネススタイルの専門家と見做されている多数の学者達に魅惑を感じさせるものがあるという事実は、富裕層の思想であるこの概念論なるものの方が、どんなに初めから非科学的であったかということを、偶々告げているに他ならない。

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